病院で目が覚めたラングドンは、窓の外の眺めから、イタリア中部の都市フィレンツェであることに気づくが、頭部に負った傷や、自分が病院のベッドにいる理由を思い出すことはできなかった。そして、担当の医師が武装した襲撃者に撃たれるところを目撃してしまう。ラングドンは、美人の女性医師シエナ・ブルックスの手引きで、命からがら病院を脱出する。   謎の襲撃に続き、無人偵察機による探索、軍警察までが不穏な動きをするなど、何者かがラングドンを探し出そうとする。シエナは彼のジャケットの隠しポケットに高性能バイオチューブが入っているのを発見する。内部には、高性能のプロジェクターが詰め込まれており、壁に映し出されたのは、ダンテの『神曲』〈地獄篇〉へのオマージュとして捧げられたボッティチェルリ作の「地獄の見取り図」だった。   その謎を探究するうち、ラングドンはフィレンツェの象徴ともいうべきヴェッキオ宮殿にたどり着き、美術館の展示室からダンテのデスマスクが盗まれたことを知る。美術界の重鎮が命がけで託した手がかりを頼りに、ラングドンは消えたマスクの行方を追う……。

前代未聞、波瀾の幕開け 病院の集中治療室で目を覚ましたラングドンは、まる2日間の記憶を失っていた。病院を脱け出し、美しき女医シエナ・ブルックスとの逃亡の旅が始まる。  いよいよ舞台はシリーズ初となるアジアへ 文化・学術都市フィレンツェで幕を開けた物語は、やがてアドリア海を望む運河の街ヴェネツィアを経て、アジアの玄関口イスタンブールへと向かう。 シリーズとして新生面も 手ごわい暗号パズルの面白さを残しつつも、先読みを許さない意外性が読者を待ち受ける。それが何かは……もちろん読んでのお楽しみだ。